【ご相談事例】大学生のアルバイトと扶養条件:月収基準、2026年の税制改正、社会保険の壁
お客様からのご相談内容
大学生の子供の「扶養の条件」について、以下の3点を教えてください。
① 月収が一定額(例:3ヶ月連続など)を超えた場合に扶養から外れるといった基準はあるのでしょうか?(税法上と社会保険上のそれぞれについて)
② 現在21歳で今年22歳になります。2026年(1月〜12月)の年間収入を150万円以下に抑えれば、扶養控除(19歳以上23歳未満の特定扶養親族)の対象になるという認識でよいでしょうか?また、その場合、社会保険の扶養に影響は出ますか?
③ 社会保険に関して、週20時間以上の勤務が一定期間続いた場合に扶養から外れるといったルールは適用されるのでしょうか?
公認会計士・税理士の回答
ご相談ありがとうございます。大学生のお子様がアルバイトをされる際の扶養の範囲についてですね。「税法上の扶養(所得税・住民税)」と「社会保険上の扶養(健康保険・年金)」は判定基準が全く異なるため、混同しないように分けて整理することが重要です。
1. 月収が一定額を超えた場合の判定基準
- 税法上の扶養:
月ごとの収入制限は一切ありません。1月1日から12月31日までの「年間トータルの収入(所得)」のみで判定されます。そのため、長期休みなどで特定の月だけシフトに多く入り月収が跳ね上がったとしても、年間の合計額が基準内に収まっていれば税法上の扶養から外れることはありません。 - 社会保険上の扶養:
向こう1年間の「年収見込みが130万円未満(交通費込みで月額換算108,333円以下)」であることが条件となります。多くの健康保険組合では、この月額108,333円を「3ヶ月連続で超えた場合」に扶養から外すという実務運用を行っています。(※ご加入の健保組合によって細かな規定が異なるため、念のため組合のホームページ等でご確認ください)。
2. 2026年に年収150万円の場合の「扶養控除」と「社会保険」への影響
- 税法上の扶養控除:【対象になります】
12月31日時点で22歳になられるため、年齢要件を満たし「特定扶養親族」に該当します。また、2026年以降の基礎控除等の見直しによるいわゆる「178万円の壁」への引き上げが適用されることを踏まえますと、2026年の年間収入が150万円程度であれば、税額計算上、扶養控除の対象に含めることが可能です。 - 社会保険の扶養への影響:【外れます】
年間収入が150万円となる場合、社会保険の扶養基準である「年収見込み130万円未満」を上回ってしまいます。そのため、親の健康保険(扶養)からは外れることになります。
この場合、親の扶養を抜けてご自身で「国民健康保険」および「国民年金」に加入して保険料を支払うか、アルバイト先の社会保険に加入する必要が生じます。つまり、「税法上は扶養に入れるが、社会保険の扶養からは外れる」という状態になります。
3. 週20時間以上勤務の基準(社会保険の加入義務)
パートやアルバイトで「週20時間以上の勤務」かつ「月額8.8万円以上」などの条件を満たすと勤務先の社会保険に加入する義務が生じるルール(いわゆる106万円の壁)がありますが、これは昼間学生(通常の大学生)には適用除外とされています。
したがって、大学生が週20時間以上働いたこと「それ自体」が直接の理由となって、勤務先の社会保険に強制加入させられ、親の扶養から外れることはありません。
ただし例外として、「正社員の4分の3以上の労働時間・労働日数(一般的には週30時間以上かつ月120時間以上など)」働いた場合は、学生であっても勤務先の社会保険に加入する義務が生じ、親の扶養から外れます(※今回想定されている年収150万円程度のペースであれば、この例外ケースには該当しないと考えられます)。

