【ご相談事例】奨学金を利用する孫への都度贈与と、電子マネー立替分の精算に関する税務上の注意点
お客様からのご相談内容
大学生の子供(祖母から見ると孫)が、現在奨学金を利用して通学しています。この場合でも、祖母から生活費や教育費としてその都度援助(都度贈与)を受けることは可能でしょうか?
また、子供の生活費を親である私が一旦電子マネーで立て替えて支払い、その後で祖母から現金でその分の援助(都度贈与)を受けることは問題ないでしょうか?
公認会計士・税理士の回答
ご質問について以下回答させて頂きます。
1. 奨学金を利用しているお孫様への都度贈与について
結論から申し上げますと、非課税での生活費援助は問題なく受けることが可能です。
相続税法(贈与税含む)において、祖父母と孫は「扶養義務者」という関係にあたります。そのため、生活費や教育費として「通常必要と認められる範囲の金額」を「必要なタイミングで都度」受け取り、実際にその目的に使い切っている限り、贈与税はかかりません。
奨学金を利用されている場合であっても、それだけでは賄いきれない生活費や教材費の補填として援助を受けることは全く問題ございません。
【※ご注意点】
受け取った現金をそのまま預貯金に回したり、株式などの投資に充てたりした場合は、「生活費への充当」とは認められず、贈与税の課税対象となる可能性がございますのでご注意ください。
2. 電子マネーで立て替えた生活費を後日現金で受け取る場合
こちらも結論としては可能ですが、税務調査等で指摘を受けないよう「しっかりと記録を残すこと」は重要かと存じます。
親御様がお子様の生活費を立て替え、その実費をお祖母様から受け取る行為は、実質的に「生活費の援助」にあたるため非課税として扱われます。しかし、親御様の手元に現金が入る形となるため、税務署から「単なるお小遣い(課税対象の贈与)」と誤認されるリスクがございます。これを防ぐため、以下の2つの対策を講じることをお勧めいたします。
- 支出の証拠(紐付け)を残す:
ご自身が電子マネーで支払った際のレシートや、決済アプリの履歴画面(スクリーンショット)などを保存しておく。 - 金額を一致させる:
お祖母様から受け取る現金は、立て替えた実費と同額にしてください。その上で、家計簿やカレンダーなどに「〇月〇日、子供の生活費立替分として母より受領」と明確にメモを残しておくことが重要です。
ご相談者様からの声
とても分かりやすくご説明いただき、ありがとうございます。
これまで「都度贈与(生活費の非課税援助)」という仕組みについて認識がなかったため、奨学金の借入額を高めに設定しておりました。今回アドバイスいただいた都度贈与のことも踏まえて、奨学金の金額変更を改めて検討しようと思います。
ありがとうございました。

