父からの2000万円の贈与、節税できる使い方

【ご相談事例】父親から2000万円の贈与を受ける予定。贈与税を抑える賢い使い道とは?

お客様からのご相談内容

近々、父親から2000万円の資金贈与を受けることになりました。当初は現在賃貸に出している投資用マンションのローン返済に充てようと考えていましたが、贈与税の負担が大きくなるのではないかと懸念しています。

そのため、いっそのこと自分たちの住居用として新たにマイホームを購入する資金に充てることも含め、悩んでいる状況です。贈与税の節税という観点から見て、どのような使い道や選択肢があるか教えてください。

公認会計士・税理士の回答

ご相談ありがとうございます。まとまった金額の贈与を受ける際、その「使い道」や「適用する制度」によって贈与税額は数百万円単位で変わってまいります。まずはご検討されている2つの使い道にかかる税金の違いと、税負担を抑えるための具体的な選択肢を解説いたします。

ご検討されている使い道の税務上の違い

  • 賃貸用住宅のローン返済に充てる場合:
    こちらはご自身がお住まいになるマイホームではないため、税制上の優遇特例が適用できません。通常の「暦年課税」で一括して受け取った場合、約585万円という高額な贈与税が発生してしまいます。
  • 住居用として新たにマイホームを購入する場合:
    ご自身が居住するための住宅購入資金であれば、「住宅取得等資金の非課税特例」を活用できます。質の高い住宅(省エネ等住宅)であれば最大1,000万円、一般住宅であれば最大500万円まで贈与税が非課税となります(※残りの金額に通常の暦年課税を適用した場合でも、税額を大幅に圧縮できます)。

贈与税を抑えるための3つの選択肢

1. 「相続時精算課税制度」の活用(使い道に制限なし)

原則60歳以上の父母や祖父母から、累計2,500万円までの贈与を非課税で受けられる制度です。この制度を選択すれば、2,000万円を当面は無税で受け取ることができ、賃貸用ローンの返済など自由な用途に資金を使えます。

【注意点】
この制度はあくまで「課税の繰り延べ」です。将来お父様の相続が発生した際、この2,000万円が過去の贈与時の価額のまま遺産総額に加算され、相続税として計算されます(お父様の総資産が将来の相続税の基礎控除内であれば、最終的にも無税で済みます)。

2. 「住宅取得等資金特例」と「相続時精算課税」の併用

新しくご自宅を購入される場合は、上記2つの制度を組み合わせて利用できます。例えば、住宅特例で1,000万円を完全に非課税とし、残り1,000万円を精算課税枠として受け取ることで、現在の贈与税をゼロにしつつ、将来の相続財産へ加算される額(1,000万円分のみ)も小さく抑えることが可能です。

3. 「暦年贈与」を組み合わせた分割受け取り

一括での受け取りではなくなりますが、毎年110万円の基礎控除枠を利用して数年に分けて受け取る方法です。「1,000万円はマイホーム資金として特例で一括受け取りし、残りの1,000万円は数年かけて暦年贈与で受け取る」といったように、計画的に分けることで税負担を完全に無くすことも可能です。

節税を意識しすぎるあまり、本来の目的(ローンの完済やライフプラン)から外れてしまっては本末転倒ですが、制度の選び方や形式を工夫することで、税負担を大幅に軽減、あるいはゼロにすることが可能です。

なお、「住宅取得等資金特例」や「相続時精算課税制度」を利用する場合は、結果的に税額がゼロ円になったとしても、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日の間に税務署へ贈与税の申告書を提出することが必須条件となりますので、この点だけは失念されないようご注意ください。

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