住宅購入資金の贈与:妻の親から夫の口座へ直接振り込まれた場合の対処法

【ご相談事例】住宅購入資金の贈与:妻の親から夫の口座へ直接振り込まれた場合の対処法

お客様からのご相談内容

住宅購入にあたり、妻の親から資金援助を受けることになりました。住宅ローンの主債務者は夫ですが、妻は担保提供者となり、両親からの援助額分に応じた持分を登記する予定です。

しかし、義両親からの援助金が誤って「夫名義の口座」に直接振り込まれてしまいました。後から「贈与税の申告等を考慮すると、妻の口座を経由すべきだった」と聞き、対応に悩んでいます。

この場合、一度義両親に返金(振込先間違いと明記)して妻の口座へ振り直してもらう方法と、受贈者を妻・振込先を夫の口座とする「贈与契約書」を作成する方法のどちらが適切でしょうか?他の良い手段があれば教えてください。

公認会計士・税理士の回答

結論から申し上げますと、実務上の対応としては「贈与契約書を作成し、資金の流れを事実通りに明記する」方法が最も適切かつ確実かと存じます。

不動産購入時の決済において、複数の口座から送金する煩雑さを避けるため、メインのローン契約者様(夫)の口座へ便宜上資金を集約することは、実務上よく行われます。最終的な不動産登記において「奥様の持分」として正しく反映されるのであれば、資金移動の実態を契約書で補足説明する正攻法をお勧め致します。

ご検討されていた「一度返金して振り直す」方法は、すでに住宅代金の決済が完了している場合、税務署から「後から辻褄を合わせた不自然な資金操作」と疑われるリスクがございます。 税務当局も不動産決済における口座集約の慣行は把握しているため、合理的な証拠(契約書)があれば通常は問題視されません。

実務上進める際の3つの重要ポイント

  1. 贈与契約書の記載事項の工夫
    通常の贈与契約事項(誰から誰へ、いくら、いつ贈与したか)に加え、「なぜ夫の口座に振り込んだのか」という理由を必ず特記します。
    【記載例】「甲(妻の親)は乙(妻)に対し金〇万円を贈与する。本資金が乙の住宅取得用であることを確認の上、不動産決済の便宜上、乙の配偶者である夫(〇〇)名義の下記指定口座に振り込む方法で引き渡した。」
  2. 登記上の「持分割合」の厳密な計算
    「夫の自己資金+ローン額」と「妻の自己資金+今回の援助額」の実際の拠出割合と、法務局で登記する所有権の持分割合を完全に一致させてください。この割合がズレると、多く登記された側へ夫婦間での贈与があったとみなされ、思わぬ贈与税が発生するリスクがございます。
  3. 特例適用のための「贈与税申告」は必須
    妻のご両親からの資金について「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」を適用する場合、計算上の納付税額がゼロ円であっても、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日の間に税務署へ贈与税の申告書を提出することが必須条件となります。 申告漏れがあると特例が取り消されますので、この点にはご留意ください。

ご相談者様からの声

非常に丁寧にご回答いただきありがとうございます。
贈与契約書の作成を進めて行くことにします。
とても助かりました。

また、持ち分としての拠出金の調整および確定申告についても気をつけるようにいたします。

ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!