非居住者の暦年贈与について

【ご相談事例】海外移住で非居住者に。日本の甥へ暦年贈与を続ける場合の税務上の注意点

お客様からのご相談内容

昨年、日本を出国して現在は海外在住(非居住者)です。母が亡くなって以来、日本の信託銀行を利用して、甥に対して毎年暦年贈与を行ってきました。

これまでは年間110万円以下のため非課税でしたが、贈与者である私が非居住者となった今後も、引き続き信託銀行経由で贈与を行った場合、受贈者である甥に贈与税はかかってしまうのでしょうか?

また、もし課税される場合、甥の側で何か贈与税の支払い手続きや申告が必要になるのか教えてください。

公認会計士・税理士の回答

ご相談ありがとうございます。海外への移住に伴う税務上の取り扱いや、ご親族への生前贈与についてのご質問ですね。結論から申し上げますと、税務上のルールと、金融機関(信託銀行)の実務対応の2つの側面から確認する必要がございます。

1. 贈与税の取り扱いについて(税務上の結論)

これまでと同様に「年間110万円以下」の暦年贈与の範囲内であれば、贈与する側(ご質問者様)が海外在住の非居住者になられた後でも、受け取る側の甥御様に贈与税はかかりません。したがって、甥御様の方で贈与税の申告や支払い手続きを行う必要もございません。

日本の贈与税は、原則として「財産を受け取る側(受贈者)」の居住地などを基準に課税範囲が決定されます。今回の場合、財産を渡す方が非居住者であっても、財産を受け取る甥御様が日本国内にお住まい(居住者)であれば、通常の暦年贈与のルールがそのまま適用されます。そのため、1年間の受贈額の合計が基礎控除額(110万円)以内であれば非課税となります。

2. 信託銀行での手続きに関する重要な注意点

税金面では非課税となりますが、実務上は信託銀行での手続きに注意が必要です。

日本の多くの金融機関では、口座名義人が海外へ移住して「非居住者」となった場合、これまで利用していた暦年贈与信託などのサービスがそのまま継続できなくなる(口座の解約や、非居住者専用口座への切り替えを求められる)ケースが一般的です。

税金がかからない前提であっても、今後の贈与手続き自体が継続可能かどうか、まずはご利用中の信託銀行へ「昨年末から非居住者となった旨」をご申告いただき、今後の取り扱いについてご確認されることを強くお勧めいたします。

ご相談者様からの声

インターネットで調べた際、「受贈者が非居住者の場合は贈与になる(課税される)」といった情報があり、自分のケース(贈与者が非居住者)ではどうなるのか分からなくなっていました。

いただいたご回答で明確になりスッキリしました。銀行の手続きについても、アドバイス通り気をつけて実行したいと思います。ありがとうございます。

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